渕上印刷/九州日本電気ソフトウェア/九州初,基幹情報システムを全面的にWeb化した「印刷業総合管理システム」を共同開発

渕上印刷株式会社(本社:鹿児島市,以下 渕上印刷)は,汎用機で構築された受注管理から実績管理までの総合管理システムを6年前からクライアント・サーバー方式にて運用してきたが,今回,従来のシステムを根本的に見直し,受注情報および詳細な仕様情報のデータベース化を図り,見積り・受注管理,生産管理,用紙・資材管理,実績管理,製品別原価管理,部門別原価管理,外注管理,在庫管理といった一連の情報システムをほぼ完全にWeb化し,全面的な運用を開始した。

同システムの開発は,九州日本電気ソフトウェア株式会社(本社:福岡市,以下NECソフトウェア九州),子会社の株式会社渕上システム(本社,東京都,以下 渕上システム)との三社共同で行い,当初Web化が困難とみられていたシステムを無事軌道に乗せることが出来た。
中堅規模以上の印刷会社において,基幹になる情報システムの大部分をWeb化した例は全国的にもめずらしく,九州地域では初めてのシステム事例となる。

システムの再構築に当たっては,次の3点を重視した。
(1)パソコンが社員に一人一台の時代になった今,社員全員が使えるシステムで,かつ機種に依存しないシステムであること
(2)ワークフローの変化や工程のボーダーレス化に対応できる,フレキシブルで運用の可用性が高いシステムであること
(3)企業における必要不可欠な業務情報が体系的に整理され,過不足なく円滑に流通し,かつ有効に活用されること

基幹システムの大部分をWeb化することによって,今後情報の共有化が一層進展し,製・販の垂直統合が可能になり,さらなる業務プロセスのスリム化,効率化が期待されている。

開発の背景
印刷業界においては十数年前から生産技術の進展が著しく,特にプリプレス部門においてはワークフローの変更を余儀なくされ,工程間のボーダーレス化が浸透し,従来の受注管理システム,日程・工程管理システム,原価管理システムといった生産管理システムが十分に機能しているとは言いがたい状況が少なからず存在していた。 又,企画デザイン部門やプリプレス部門を有する印刷会社においては,標準化しにくい作業が多く,作業が工程間に輻輳しており,当該部門の日程管理や厳密な原価管理は難しい状況にあった。 しかも社員全員がパソコンを活用している今日においては,クライアント・サーバー方式では,システムの管理が繁雑を極め,プログラムの配布や修正のタイミングなど煩わしい状況が発生していた。

さらにデザイン制作などのプリプレス部門においては,マッキントッシュの活用が一般的になっているが,マッキントッシュ上で生産管理システムを稼働させることは不可能に近い状態で,情報化しにくい部門になっていた。
このような部門を抱える印刷会社においては,プラットフォームに依存しない形での生産管理システムの構築や従来システムのWeb化が必要に迫られていた。


システムの概要・特長
今回の共同開発システムの概要・特長は以下の通りである。
・OCR方式による受注エントリーを営業全員に配布されたパソコンからのエントリー方式に改め,受注情報をできるだけ細かい作業要素に分割し,独自の見積り・受注システムをWeb上に構築した。Web化することによって,机上においてだけでなくPHS・モバイル等の活用が図れ,いつでもどこでも見積りを作成したり,見積り情報をはじめさまざまな情報を参照することを可能にした。
・受注情報や製品の仕様情報を細分化しデータベース化することにより,工程ごとの日程管理はもちろんのこと,細分化された作業要素ごとの細かい日程管理や原価管理を原理的に可能にし,従来の管理方法に比べて柔軟な管理体制をとることができるように改善した。
・作業環境の変化やボーダーレス化に対応するため,生産管理システムの考え方を一新,工程中心の管理体制から作業要素や個人レベルの管理方式に変更することにより,これまで十分機能していなかった企画デザイン部門の日程管理,外注管理,実績管理を最適化した。
・今回の開発では,システムの主要な部分はJAVAスクリプトやVBを中心にした言語によって構築し,日程管理や実績管理の部分はHTMLに組み込み可能なスクリプト言語PHPで開発した。
・見積り・受注システムにおいては,プログラムソースの一元管理を可能にし,作業要素,見積り要素の追加変更等やプログラム修正などがコンパイルすることなく柔軟に,かつ即時に入力画面に反映できるような工夫がなされている。


導入後の効果

運用面で複雑な印刷の見積りシステムをWEB化する効用は大きく,安価になったブロードバンド回線やVPN等で構築されたイントラネットを利用し,中小企業においても,県外の営業所をはじめとして,いつでもどこからでも様々な管理システムを活用することが可能になった。外出先や出張先においても,モバイルによる受注登録はもちろんのこと,さまざまな生産管理情報を参照することも可能になった。
又,管理面では各部門工程ごとの日程管理のみならず,これまでは不可能に近かった細かい作業要素ごとの日程管理や,プリプレス担当者,デザイナー,さらに外部協力者といった個人レベルの日程を管理することができるようになり,プリプレスを中心とする生産情報の共有化が図られ,プレスやポストプレス部門の生産管理が容易になった。
一方,以前のシステムでもある程度のペーパーレス化がなされたが,今回の導入で入力原票の廃止,現場における作業仕様書の出力枚数大幅減少等,可能な限りのペーパーレス化が実現した。

更に,見積情報や仕様情報を共有することによって,現場における日報を廃止するなどの実績情報の収集が大幅に効率化され,実績管理システムや部門別損益管理システムとの連携が容易になった。


今後の展開

当該システム構築に当たりフレキシブル性を狙いの一つとしたことで,全体的に可用性の高い汎用的なシステムに仕上がったと実感している。
今後,同様の問題意識を有する印刷会社に向けて,NECソフトウェア九州,渕上システムを中心に積極的な拡販活動を展開していく予定である。


<お問い合わせ先>
NECソフトウェア九州
第三ソリューション事業部
〒814-8567 福岡市早良区百道浜2-4-1
TEL:092-852-4235 FAX:092-852-4261
URL http://www.qnes.co.jp/

渕上印刷株式会社
総務部
〒892-0845 鹿児島市樋之口町6-6
TEL:099-225-2727 FAX:099-223-5449
URL http://www.studios.co.jp/


(C)Japan Association of Graphic Arts Technology