三菱重工業は,稼働率のアップに徹底してこだわった枚葉印刷機「DIAMOND」シリーズの新モデル3機種を開発,ドイツ・デュッセルドルフ市で開かれる国際総合印刷機材展「drupa2008−print media messe」に出品するとともに,順次市場に投入していく。
新モデル3機種は,幅広い印刷用紙に対応する厚薄兼用印刷機(300W),片面多色刷と両面刷の双方に対応する片面両面刷兼用機(300R),紙を反転せず両面を印刷できる独自の胴配列を有した両面印刷専用機(300TP)の各マシンで,いずれも「高品質と安定性」で定評がある当社マシンの優れた基本性能を継承しつつ,「機械停止時間をミニマムにして,実印刷時間を増やす」ことに重点を置いた枚葉印刷機となっている。
「DIAMOND」は,2000年のリリース以降,世界中のお客様にご愛用頂いてきたNew DAIYAシリーズの後継機。「メンテナンス」,「印刷準備」,「印刷障害」の3つの視点からタイムロスを徹底排除し,実際の稼働率向上をはかったのがポイントで,その第一弾として当社は昨秋に,菊全判片面印刷機「DIAMOND300」(IGAS2007に出品)を投入している。今回の3機種はそれに続くもの。
今回の3機種は,「DIAMOND」シリーズの特長である,業界初の全自動全色同時版交換装置「サイマル・チェンジャー」をそれぞれ採用,色数に関係なく75秒以内の高速・高精度な版交換を実現する(版交換のみでは38秒以内)。また,これまで熟練の技術を必要とした色調整を簡易に行えるインターフェース「DIAMOND Color Navigator」が搭載可能になっていて,生産性と操作性を大幅に向上させている。
印刷面の汚れや機械故障の発生を極小化する「無給油ベアリング」の採用や,「給油箇所の頭出しと自動給油」の導入による給油時間の削減,余剰パウダーの回収効率を高める機構の排紙部への内蔵による清掃時間の短縮など,メンテナンスの容易化や操作性の向上と時間短縮を実現。さらに各種プリセット機能の充実などにより,操作性を高めている。
このうち,厚薄兼用印刷機「DIAMOND 300W」は,厚さ0.04〜1.0mmの幅広い印刷用紙に対応するマシン。厚紙印刷の際のキズ入りや汚れを防止するため,エア制御に工夫が施されており,空気配管設計などの変更により,エア制御の効率化とブロアー数の削減を両立した。また,排紙延長型乾燥装置や色間乾燥装置のランプ取り付け位置を変えるなどして,作業性とメンテナンス性の向上をはかっている。
片面両面刷兼用印刷機「DIAMOND 300R」は,片面印刷と両面印刷の双方を反転機構の切り換えで行えるマシン。反転機構を倍径3本胴タイプに変更するなどして紙流れの安定化をはかり,両面印刷時の印刷速度で業界最高レベルの毎時16,200枚(片面印刷時の速度と同等)を実現。さらに,排紙部の改良により,汚れ発生の要因をなくしている。
両面印刷専用機「DIAMOND 300TP」は,専用の裏刷ユニットと通常の印刷ユニットを連接ユニットで繋いだ機構を持つ当社独自の両面印刷機タンデムパーフェクター(TP)の先進タイプ。これまで同様,刷版の面付条件や用紙寸法精度など両面機特有の制約条件が少なく,幅広い紙厚レンジ対応できるといった特長を有している。さらに,「300R」同様,排紙部の改良を行い,毎時16,200枚の印刷速度を実現した。
ポスターや商品カタログなど印刷を得意とする枚葉印刷機は近年,印刷部数の多い領域では輪転印刷機と,また,少ない領域ではPOD(オンデマンド印刷)との熾烈な競争を強いられている。そのため,枚葉機本来の付加価値である高い印刷品質が欠かせないものとなっているが,当社は,更なる高品質・短納期を実現した新シリーズ3機をこの分野の中核製品と位置づけ,多色印刷,高細線,コーティングなどの高級印刷やパッケージング分野への対応も行い,積極的な営業を展開していく。
今回の新シリーズ3機は,5月29日から6月11日までの14日間,ドイツ・デュッセルドルフ市のDusseldorf Messeで開催される国際総合印刷機材展「drupa2008−print media messe」に出品,実演展示する。
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